鉄道模型のジオラマを作るには

鉄道模型を楽しむうえで、ジオラマの制作は大きな醍醐味のうちのひとつです。ジオラマの楽しみ方はとても多様で、慣れ親しんだ情景を再現することもできますし、自分の理想の情景を作って楽しむこともできます。もちろん、ジオラマの中を走る車両を見て楽しむこともできます。

鉄道模型のジオラマを作ってみたいという方のために、基本的な制作の流れと様々な楽しみ方をご紹介します。


ジオラマ制作の前に

現在、鉄道模型の規格として、最も広く浸透しているのがNゲージと呼ばれるものです。Nゲージは線路の幅が9ミリで、縮尺はおよそ150分の1です。多くのメーカーから精巧な鉄道模型が数多く発売されています。鉄道模型のジオラマを制作し、実際に鉄道車両を走らせてみたいという方は、まずNゲージから始めるのが一般的です。

より大きい縮尺のものだとスペースがより必要になり、価格も高くなるからです。基本的に、鉄道模型のジオラマ制作に必要なのは、車両の模型、線路、コントローラー、ジオラマのベース、そして建物の模型です。

思い通りの情景を作成するためには、必要に応じてここに挙げたもの以外も必要になるでしょう。まず車両についてですが、メジャーな鉄道模型メーカーは、国内のほとんどの鉄道車両を模型として発売しています。もちろん、国鉄の車両など、今は一線を退いた車両もモデル化されています。

ほとんどの場合、思い入れのある車両を購入できるでしょう。また、初心者の方であれば、有名な車両を3両編成でセットにした製品も多くのラインナップがあります。3両セットであれば1万円程度から購入できるので、金銭的なハードルは比較的低くなるでしょう。

次に、レールとコントローラーについてです。

レールは1本ずつ購入することもできますが、シンプルなレールのレイアウトをすぐに組むことができるセットも発売されていますので、そういったセットを購入するのも手軽な方法となります。また、レールのセットに車両を運転するコントローラーも付属しているものもあります。

そして、ジオラマを制作する上で欠かせないのが、線路や建物を設置するベースです。木製のパネルや発泡スチロールの板を利用するのが一般的です。自分が制作したいジオラマに合ったサイズのベースを用意しましょう。最後に建物などです。

ジオラマにおいては、建物や木々などの模型はストラクチャーと呼ばれます。鉄道模型のメーカーからは、鉄道車両に引けを取らないほど精巧な建物の模型が発売されています。また、同じ縮尺であれば鉄道模型のジオラマ用でないものも利用できますし、自作することも可能です。

これらの基本的な準備が整ったら、いよいよジオラマを制作する段階に入ることができます。

ジオラマ制作の流れ

いきなりジオラマ制作に取り掛かるのではなく、十分に計画を練ることが大切です。まず、ジオラマで作りたい情景のイメージを固めます。実在の景色を再現するのであれば、実際に現地に出向いて写真を撮るといったステップも場合によっては必要になるでしょう。

イメージが固まったら、「仮置き」という段階に入ります。ベースの上にレールや建物、駅舎などを配置し、確認します。問題がなければ制作の作業に入ります。仮置きした場所がわかるよう、鉛筆などでベースに目印を付けます。

ここで注意が必要なのがコントローラーの接続スペースです。鉄道模型のコントローラーは、レールにコードを接続することで給電するので、ジオラマが完成した後で接続するスペースがない、ということにならないように、あらかじめスペースを確保しましょう。

仮置きしてイメージを確認したら、地形を作っていきます。山や川といった起伏のある地形を再現するには発泡スチロールの板をカットして重ねるのが便利です。地形が完成したら、線路を取り付けます。レールは接着剤を使ってベースに取り付けます。

釘などを使用すると、特に初心者の場合は誤ってレールを傷つけてしまう恐れがあるからです。なお、地形の塗装についてですが、レールの取り付け後に行うこともできますが、レールに塗料が付着するのが心配であれば、先に塗装してしまっても問題ありません。

万が一、レール表面に塗料などがついてしまった場合は、車両への給電に影響することがあるので、目が細かい紙やすりで表面を磨くと良いでしょう。地形とレールの設置の次は、建物などの細かいストラクチャーの取り付けに入ります。

その際、道路を再現したいと思うこともあるでしょう。そのような場合は、灰色のプラスチック板をカットして利用することができます。建物と合わせて、接着剤でベースに取り付けていきます。ここまでのステップで、ジオラマの大体の形は完成します。

次にジオラマをさらにリアルにするための工夫をご紹介します。

ジオラマの作りこみ

せっかくお金をかけてジオラマを制作するなら、できる限りリアルなものにしたいという方も多いでしょう。そんなときに役立つ作りこみのテクニックをいくつかご紹介します。まず、細かいアクセサリーの活用です。ジオラマ用の、車や人の模型が数多く発売されていますので、イメージに合ったものを活用すると良いでしょう。

また、意外と忘れがちなのが電柱です。ジオラマの町に違和感がある場合は、電柱があるかどうか確認してみてください。次に、ウェザリングです。ウェザリングというのは、リアルに見えるように、わざと模型を汚すことです。

汚すと言っても茶色く塗装したり、ウェザリング加工専用の粉を付けたりといったことがメインになります。最後に植物の作りこみです。ジオラマで樹木を再現するための、ボンドで取り付けるスポンジ素材が模型用に発売されているので、それらを活用するのが手軽な方法です。

ジオラマを作っていると、建物同士の間などに隙間ができてしまうことがあります。そのような隙間からむき出しのベースが見えてしまうと、やや興ざめですよね。樹木や茂みをとしてスポンジ素材を配置することで上手にカバーすることができます。

ジオラマの保管とお手入れ

ジオラマは作ったら終わり、というものではありません。実際に鉄道車両を走らせたり、眺めたりして楽しむのはもちろんですが、適切な方法で保管し、お手入れもすることが大切です。ジオラマの設置場所としてまず考えられるのは、本棚や机などの家具の上です。

その場合は、ジオラマがホコリをかぶらないようにビニールシートで覆うなどして対策しましょう。また、家具の上に設置する以外にも、トランクケースなどの箱の中にジオラマを作る方もいるようです。箱の中に入れるとなると必然的に小型のジオラマにはなりますが、ホコリをかぶる心配もなく、コンパクトに収納でき、持ち運ぶこともできます。

お手入れについてですが、まずレールの表面を定期的に掃除することが必要です。レール専用のクリーナーが鉄道模型メーカーから発売されています。レールの掃除を怠ってしまうと車両走行の際、トラブルになることがあるので注意してください。

レール以外にも、ジオラマの建物などがホコリをかぶっている場合は、綿棒で掃除することができます。

「鉄道模型コンテストに参加できる条件やマナーについて」

もっと手軽にジオラマを楽しむなら

ここまでジオラマの制作についてご紹介しましたが、実は鉄道模型のジオラマは、もっと手軽に楽しむ方法もあります。その一つが、完成品の購入です。ジオラマを楽しみたいけれど、自分で作れる自信がない、という方は検討してみてもいいかもしれません。

また、鉄道模型のジオラマであっても、車両を走行させることを目的としないジオラマもあります。そのようなジオラマであれば、非常に小さいスペースに飾ることができますし、費用もかなり抑えることができます。初めは小型のジオラマから、という選択も十分に検討の価値はあるでしょう。